さんぽみち。
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SHINKANSEN☆RS 『メタル マクベス』
場所: 青山劇場
日時: 2006年6月7日(水)18:00
URL :
http://www.vi-shinkansen.co.jp/stage/#08
原作: ウィリアム・シェイクスピア
脚色: 宮藤官九郎
演出: いのうえひでのり
出演: 内野聖陽/松たか子
    森山未來/北村有起哉/橋本じゅん/高田聖子/粟根まこと


前々から一度は観なくちゃ、と思っていた劇団☆新感線
今回は何と脚本が宮藤官九郎!!
『浪人街』で惚れた松たか子や森山未來が出ると聞いたら、
新感線デビューにこれほどふさわしい作品は無い、と確信しました。
しかしこれまた予想通りの高倍率公演で、チケット予約は当然のように全滅。
平日のソワレが18時~と仕事帰りに行くにはちょっと早かったので
土日に人気にますます拍車をかけたようです。

オークションでもすごい金額になっていたのであきらめかけていたのですが、
平日に1枚だけ、という条件に引き下げて、やっとチケットを入手しました。
そこそこの金額ながらかなり良い席。
何度も惜しい金額で逃したり、次点者狙いの詐欺メールが2通も届いたり・・・
苦労した甲斐がありました。

SHINKANSEN☆RS 『メタルマクベス』

平日に休みを取ってお芝居を観る、というだけでもうきうきのシチュエーションなのに
岡本太郎の『こどもの樹』に出迎えられるとさらに興奮が高まります。

実は私、文学部出身ながら四大悲劇も挙げられないほど
致命的なシェークスピア音痴。
いつか読もう、そのうち読もう、とズルズル・・・現在に至っております。
今回こそは舞台の前に『マクベス』を読んでおこうと思っていたのですが、
結局インターネットであらすじをさらっと予習しただけで終わってしまいました。

なので会場に着く早々パンフレットを購入し、
あらすじと解説を一気読み。嗚呼付け焼刃。
その中でも一番印象に残ったのが、
脚本のベースとなった翻訳を手がけた松岡和子さんのお話です。
宮藤官九郎はクドカンテイストで味付けし、新感線の音楽的要素も取り入れながらも、
しっかり『マクベス』の核心を突いているということ。
従来の翻訳で「明けない夜は無い」と訳していたところを
松岡さんは原文に拘って「明けない夜は長い」とした経緯を宮藤さんに話したら、
それを基に一曲作ってしまったと言うこと。
原作を読んでいなくても十分楽しめるけれど、
読んでいる人はもっと深いところまで堪能できるということ。

あーやっぱり原作を読んでくるんだったー。
セリフや歌詞まで至るところにシェイクスピアが刻まれているから、
ひとつひとつを大事に覚えておいて、
後々原作を読んだときに反芻しよう、と誓いました。

SHINKANSEN☆RS 『メタルマクベス』

新感線はうるさいくらいの大音響で、
スピーカーの前だとセリフも聞こえない程だ、と聞いたことがあります。
しかもヘビーメタル・・・って何??
音楽に関しては不安も大きかったのですが、
心に残る歌詞と耳に残るメロディーは、不快どころかこのお芝居に欠かせないものでした。
同じ曲でも心情の変化で全く違って聴こえてきます。
同じ曲なのにこんなにも違ってしまった・・・と言うのがまた切なくて。

題材がシェイクスピア、三人の魔女が出てきて・・・
なんていうと正直、馴染めなさと敷居の高さを感じてしまうのですが、
そこはクドカンがうまくアレンジしていました。
現実世界に近い「実」と物語性の強い「虚」を明確に切り離しておきながら、
いつの間にかくっついているので「虚」の部分をすんなり受け入れられるのです。

物語の舞台は二部構成になっています。
ヘビメタ全盛の1980年代に活躍した伝説のバンド、メタルマクベスと、
瓦礫の荒野が広がる近未来、2206年のESP王国。
両者は密接にリンクし、融合し、やがて同じ運命を辿るのです。
主人公はそれぞれ内野聖陽さんが演じる、ボーカル・マクベス内野と英雄・ランダムスター。
他の登場人物たちもみんな同じ役者さんが一人二役をこなしています。

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二つの世界を繋ぐのが"魔女"の存在です。
メタルマクベスの熱狂的なファンたちは当時"魔女"と呼ばれていました。
すっかり白髪頭になった"魔女"たちは
ランダムスターに、メタルマクベスのCDを渡します。
「万歳!マクベス!いずれは王になるお方」の言葉と共に。
CDのジャケットを見たランダムスターは、
メタルマクベスのメンバーが自分たちにそっくりであるのに気づき、
歌詞が予言であると信じて、それに囚われていくのです。
ランダムスターは脳内に埋め込まれたチップにメタルマクベスの曲をダウンロードし、
繰り返して再生するうち、それ以外全く耳に入らなくなります。
マクベスが魔女の予言で頭がいっぱいになり、気が狂い、
破滅に導かれていく痛々しさが良く伝わる設定ではないでしょうか。
 
時代の行き来が数回あって複雑なものの、
ストーリーの流れと登場人物は一緒なので問題なく追うことが出来ます。
その繋ぎ方が本当に見事で、最初は全く違って見えた二つの世界が
交錯していくうち、ひとつになって行くんです。

SHINKANSEN☆RS 『メタルマクベス』

松たか子演じるランダムスター夫人が死の直前、
私もあなたも小さい人間なのに、大きなことをしようとしすぎた、
と嘆くセリフがとっても印象的でした。
ラブラブだし、そのままでも幸せだった夫婦が、
悪いことも出来ない小心者のくせに、
予言を聞いたばっかりに、
欲を出したばっかりに、
罪の意識に苛まれ、睡眠を奪われ、
ちっとも幸せになれないまま、死んでいきます。
前半のくだらない小ネタの連続&バカップルっぷりとのギャップと、
松たか子の声量のある確かな歌声で感動はクライマックスです。

悲劇と言うより、とにかく切ないお話。
読み慣れない文体で書かれたこむずかしい原作を先に読むより、
この舞台で登場人物の心情を掴んでからの方が、
物語をより深く読めるかもしれません。
いや、原作を一回読んでから、もう一回観たい舞台です。

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テーマ:演劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

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人生急がば回れ。
好きな食べ物は道草。

ゆっくり歩こう、さんぽみち。

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ゆっくり歩きすぎて、
現実とズレまくっております。
えーっと・・・最新記事は
2006年8月です。
違和感たっぷりでごめんなさい。

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