さんぽみち。
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予告編を観たときから、心惹かれるものがありました。
もちろんオダギリジョーはかっこいい。
香川照之は演技がうまい。
だから当然と言えば当然だけど、
何より映像から漂ってくる空気感が好きで。

   


二人の兄弟と彼らの育った田舎が舞台になっています。
田舎というと脳裏に浮かぶのは、母親の実家がある山形の田園風景。
小学生の頃はお盆休みの時期に、毎年泊まりに行きました。
風にたなびいてサラサラ音を立てる青い稲穂。
一日中聞こえてくる小川のせせらぎ。
裏庭でミンミンと鳴く蝉の声。
子供ながらに「田舎って良いなぁ」と実感したものです。

そのイメージはもちろん変わらないのですが、
大人になってから「映画の中の田舎」については
同時に”怖さ”も感じるようになりました。
田舎を出た者=裏切り者,羨望と嫉妬の的。
田舎といえば閉鎖的で、住民が無表情、村長または家長の言いなりで、
小さな宗教団体のように描かれることが少なくないように思います。


   


田舎に残ってしがないガソリンスタンドを継ぎ、
父親の身の回りの世話をしながら、2人暮らしをしている兄。
高校を卒業してすぐ東京に出て、写真家として成功し、
金にも女にも不自由せずに暮らしている弟。
良い子の見本のように誉められて育った兄。
出来損ないの見本のように貶されて育った弟。
奪われ続けた兄。
奪い続けた弟。
お互いを尊敬しながらも軽蔑している微妙な関係が一気に揺れ始めます。

観ているうちに何が真実で何が嘘なのか、
ゆれにゆれて酔いそうになります。
もしかしてここはこういうことなのかも?と一つ仮定すると、
じゃあさっきのここはこういうことになって、あそこもああなって・・・と、
一つのことがゆれると、そのゆれが水面の波紋のように全体に伝わっていくのです。

お兄ちゃんの複雑な笑顔が、ただ笑っているだけじゃなくて、
何か含んでいるんじゃないか?と思うと背筋が寒くなってきます。
ぎゅっと口角を結び、歯を食いしばって、青筋を立てて笑っている。
耐えているような、怒っているような、
意思とは関係なく笑顔を作るのが癖になって固まっているような。


    


ときどき挟み込まれる無機物の静止画も効果的でした。
ただそこに、いつも通り当たり前にある物が
何か意味を持っているんじゃないかと思えたときの恐ろしさ。
めでたいはずの鯛のお頭さえ、
死んだ目の奥に何か秘めてくるようで、不気味に感じられます。

わかってたつもりだったけど・・・役者達の演技力すごい!
そして初めて観た西川美和監督、すごすぎる!
見応えのある映画です。
観に行くときのコンディションには十分注意が必要でしょう。
観るたび全く違った結論に至ってしまうかも知れません。

そうそう、いよいよ物語のクライマックス!!って時に
突然現れるおどけた伊武雅刀、唯一の安らぎポイントです。

     
 
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Author:niu
人生急がば回れ。
好きな食べ物は道草。

ゆっくり歩こう、さんぽみち。

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ゆっくり歩きすぎて、
現実とズレまくっております。
えーっと・・・最新記事は
2006年8月です。
違和感たっぷりでごめんなさい。

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