休日だというのに、上野公園は早起きして来た老若男女でごった返していました。
上野動物園方面へと続く本流から、まずは『ロダン・カリエール展』へと枝分かれ。
支流を『世界遺産 ナスカ展-』へ伸ばすものの、水かさが減る気配はありません。
で、予想通り、最終的には『プラド美術館展』方向へズズズズっと飲み込まれてゆきました。
気がつきゃ周りは枯山水。チラホラ見えるはお爺やお婆ばかりなり。
めげずに若者(平均年齢比)2人組は東京国立博物館の
天台宗開宗1200年記念 特別展 『最澄と天台の国宝』へ行って来ました。
いざ中へ入ってみれば、とにかくすごい人・人・人。
この中のうち、どれだけの人が本当に好きで観に来てるんだろう。
隅から隅まで凝視し、遠めで眺め、間近に迫り、また引いて…
いつまでも立ち止まる私たちを、周りの人たちはすごいスピードで抜かしていきます。
「日本人って!!」と憤る日本人。
もーうね、今回の展覧会は私の好きな物だらけで、
はしゃぐ気持ちを抑えるのが大変でした。
混雑を避け、第二展示室から入るといきなり正面に黄不動が!
もちろんこんなに(←)黄色くありません。
膝がかっこいいんですよねー、膝のラインが。よっ!美脚!
ほかの絵にも言えることなんだけど、
人体の筋肉をああいうデザインで捉えて、ああいう線で描いていくって、ほんっとすごいと思う。
意味なく自分の身体まで鍛えたくなっちゃいました。
そして興奮覚めやらぬうちに、これでもかと現れる数々の曼荼羅たち。
目の前に広がるのはまさしく宇宙。
どこまでも緻密に描きこまれたミクロの世界と
果てしなく広がり続けるマクロの世界がグルグル廻って、
どーんと突き飛ばされたみたいに圧倒されます。
ぐるぐるどーん!
いくら見ようと思っても見足りない、見れば見るほど見えなくなって行く感じ。
小さいところを観ていたつもりなのに、それが実はとてつもなく大きなもので…。
曼荼羅ってやっぱ、すっげーなー。
ガラスを挟んで展示物までちょっと距離があるので、
もっと細かいところを見たいのに限界がありました。
美術鑑賞用の双眼鏡が欲しいなぁ。
でもそんなの持って行ったら、きっといつまで経っても帰れない。
恐ろしい六道絵も、浮かれた来迎図も、綺麗な顔した大日如来も…
素晴らしいというより面白かったー。
ここには書ききれないので割愛!!
お気に入りに数多く出会えたのは収穫でした。
もう一度ちゃんとお勉強したいなー。
で、それなのにちゃんと名前を覚えて来れないのが私のだめだめポイント。
カタログはあまりにも実物とギャップがあったので、
がっかりして買わなかったんだけど、復習用の資料として必要だったかもしれません。
こういう展示って、本当は休憩を入れたりしてゆっくり廻った方が良いんですよね。
興奮してたので、勢いで一気見しちゃいましたが…。
とにかくボリュームがすごくって、観終わるとへとへとになります。
でも山を登りきった後のような、心地よい達成感と疲労感。
今度は本来の場所戻った彼らに会いに行きたいものです。
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