さんぽみち。
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ホチキス第19回公演
『佐々木の船』
場所:シアターモリエール
日時:7月2日(日)14:00
URL :
http://www.hotchkiss.jp/

ホチキス『佐々木の船』


もう何度目でしょう。私がいちばん観ている劇団の作品です。
ホチキス『佐々木の船』。略してSF。

まず驚いたのが、舞台のセット。
・・・昼ドラ??コント??

鼠色のデスクが並び、革張りのソファが置かれ、壁には時計やカレンダー・・・
と、そのまま生活出来そうなくらい大道具・小道具が並べられています。
運送会社の様子が具体的に再現されていました。
ここまで庶民っぽく、生活感丸出しなセットは極めて稀ではないでしょうか。

ワンシチュエーションのお芝居は過去にもあって、
例えば『隣がキャバレー』では動かざる"楽屋"のセットが組まれました。
でもキャバレーの華やかさとサスペンスの非現実感が漂っていたし、
大道具もほとんど使われていなかったので、
今回ほどの違和感を抱かなかったのでしょう。

いつもはかなり抽象的かつ芸術的なセットで、
場面転換に対応出来る形式になっています。
さすが芸大出身!というセンスの良さが光っていて
ホチキスの舞台に花を添える魅力の一つでもあるのです。
今回、それが見られなかったのは個人的にちょっと残念でした。

ただその分、本格的なお芝居、という雰囲気はありましたね。
ダンスも、『KABUKU』で桃奴を演じていた
Chargeの藤林美沙さんが振り付け&指導だから本格的。
映像も、時間を掛けてプロが作ったという感じがして本格的。
これからホチキスをプロとして通用していく集団にしたい、という
強い思いによるものかも知れません。

でも裏を返せば、外部からプロの手が入った、と
強く意識させられることにもなりました。
お芝居の部分と映像やダンスの部分がどうしても切り離されて、
別のエンターテインメントに見えてしまったのです。

ホチキスって元からすごい才能を持った人たちの集まりだと思っています。
だからこそ、他から才能を持ってきて付け足しでホチキスを大きくするんじゃなくて、
一つ一つの才能を膨らませることで全体を大きくしていって欲しい。

役者さんのキャラが立っていて演技力もしっかりしているから、
安心してみていられるし、笑いっぱなしです。
役者さんがそれぞれ役にはまっているんだけど、
"やっぱり"すごい、"やっぱり"面白い、と感じてしまいました。
安定感も良いけれど、まだまだ裏切って欲しい。
新しい表情と演技の幅を見せつけて欲しい。

どの役者さんも過去のお芝居で見たことある様なキャラクターで、
ホチキスとしてはオーソドックスな配役だっただけに、
ダンスと映像がますますホチキスらしくない、と感じられたような気がします。

うーん・・・何もわかってない素人は好き勝手なこと言いますね。
お芝居もダンスも映像も単体では素晴らしいものでした。
今後、その3つがうまく融合していって、
進化していくところをぜひ見せて欲しい、と期待しています。
『殺し文句』を超えてくれー!!

それより何より、まずは私自身のホチキスに対する固定概念をぶち破らなくては・・・。
意外と(?)頭かたいんです。
 

テーマ:演劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

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SHINKANSEN☆RS 『メタル マクベス』
場所: 青山劇場
日時: 2006年6月7日(水)18:00
URL :
http://www.vi-shinkansen.co.jp/stage/#08
原作: ウィリアム・シェイクスピア
脚色: 宮藤官九郎
演出: いのうえひでのり
出演: 内野聖陽/松たか子
    森山未來/北村有起哉/橋本じゅん/高田聖子/粟根まこと


前々から一度は観なくちゃ、と思っていた劇団☆新感線
今回は何と脚本が宮藤官九郎!!
『浪人街』で惚れた松たか子や森山未來が出ると聞いたら、
新感線デビューにこれほどふさわしい作品は無い、と確信しました。
しかしこれまた予想通りの高倍率公演で、チケット予約は当然のように全滅。
平日のソワレが18時~と仕事帰りに行くにはちょっと早かったので
土日に人気にますます拍車をかけたようです。

オークションでもすごい金額になっていたのであきらめかけていたのですが、
平日に1枚だけ、という条件に引き下げて、やっとチケットを入手しました。
そこそこの金額ながらかなり良い席。
何度も惜しい金額で逃したり、次点者狙いの詐欺メールが2通も届いたり・・・
苦労した甲斐がありました。

SHINKANSEN☆RS 『メタルマクベス』

平日に休みを取ってお芝居を観る、というだけでもうきうきのシチュエーションなのに
岡本太郎の『こどもの樹』に出迎えられるとさらに興奮が高まります。

実は私、文学部出身ながら四大悲劇も挙げられないほど
致命的なシェークスピア音痴。
いつか読もう、そのうち読もう、とズルズル・・・現在に至っております。
今回こそは舞台の前に『マクベス』を読んでおこうと思っていたのですが、
結局インターネットであらすじをさらっと予習しただけで終わってしまいました。

なので会場に着く早々パンフレットを購入し、
あらすじと解説を一気読み。嗚呼付け焼刃。
その中でも一番印象に残ったのが、
脚本のベースとなった翻訳を手がけた松岡和子さんのお話です。
宮藤官九郎はクドカンテイストで味付けし、新感線の音楽的要素も取り入れながらも、
しっかり『マクベス』の核心を突いているということ。
従来の翻訳で「明けない夜は無い」と訳していたところを
松岡さんは原文に拘って「明けない夜は長い」とした経緯を宮藤さんに話したら、
それを基に一曲作ってしまったと言うこと。
原作を読んでいなくても十分楽しめるけれど、
読んでいる人はもっと深いところまで堪能できるということ。

あーやっぱり原作を読んでくるんだったー。
セリフや歌詞まで至るところにシェイクスピアが刻まれているから、
ひとつひとつを大事に覚えておいて、
後々原作を読んだときに反芻しよう、と誓いました。

SHINKANSEN☆RS 『メタルマクベス』

新感線はうるさいくらいの大音響で、
スピーカーの前だとセリフも聞こえない程だ、と聞いたことがあります。
しかもヘビーメタル・・・って何??
音楽に関しては不安も大きかったのですが、
心に残る歌詞と耳に残るメロディーは、不快どころかこのお芝居に欠かせないものでした。
同じ曲でも心情の変化で全く違って聴こえてきます。
同じ曲なのにこんなにも違ってしまった・・・と言うのがまた切なくて。

題材がシェイクスピア、三人の魔女が出てきて・・・
なんていうと正直、馴染めなさと敷居の高さを感じてしまうのですが、
そこはクドカンがうまくアレンジしていました。
現実世界に近い「実」と物語性の強い「虚」を明確に切り離しておきながら、
いつの間にかくっついているので「虚」の部分をすんなり受け入れられるのです。

物語の舞台は二部構成になっています。
ヘビメタ全盛の1980年代に活躍した伝説のバンド、メタルマクベスと、
瓦礫の荒野が広がる近未来、2206年のESP王国。
両者は密接にリンクし、融合し、やがて同じ運命を辿るのです。
主人公はそれぞれ内野聖陽さんが演じる、ボーカル・マクベス内野と英雄・ランダムスター。
他の登場人物たちもみんな同じ役者さんが一人二役をこなしています。

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二つの世界を繋ぐのが"魔女"の存在です。
メタルマクベスの熱狂的なファンたちは当時"魔女"と呼ばれていました。
すっかり白髪頭になった"魔女"たちは
ランダムスターに、メタルマクベスのCDを渡します。
「万歳!マクベス!いずれは王になるお方」の言葉と共に。
CDのジャケットを見たランダムスターは、
メタルマクベスのメンバーが自分たちにそっくりであるのに気づき、
歌詞が予言であると信じて、それに囚われていくのです。
ランダムスターは脳内に埋め込まれたチップにメタルマクベスの曲をダウンロードし、
繰り返して再生するうち、それ以外全く耳に入らなくなります。
マクベスが魔女の予言で頭がいっぱいになり、気が狂い、
破滅に導かれていく痛々しさが良く伝わる設定ではないでしょうか。
 
時代の行き来が数回あって複雑なものの、
ストーリーの流れと登場人物は一緒なので問題なく追うことが出来ます。
その繋ぎ方が本当に見事で、最初は全く違って見えた二つの世界が
交錯していくうち、ひとつになって行くんです。

SHINKANSEN☆RS 『メタルマクベス』

松たか子演じるランダムスター夫人が死の直前、
私もあなたも小さい人間なのに、大きなことをしようとしすぎた、
と嘆くセリフがとっても印象的でした。
ラブラブだし、そのままでも幸せだった夫婦が、
悪いことも出来ない小心者のくせに、
予言を聞いたばっかりに、
欲を出したばっかりに、
罪の意識に苛まれ、睡眠を奪われ、
ちっとも幸せになれないまま、死んでいきます。
前半のくだらない小ネタの連続&バカップルっぷりとのギャップと、
松たか子の声量のある確かな歌声で感動はクライマックスです。

悲劇と言うより、とにかく切ないお話。
読み慣れない文体で書かれたこむずかしい原作を先に読むより、
この舞台で登場人物の心情を掴んでからの方が、
物語をより深く読めるかもしれません。
いや、原作を一回読んでから、もう一回観たい舞台です。

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KAKUTA 花やしき公演 『ムーンライトコースター』
日時: 2006年6月4日(日)19:00
URL: http://www.kakuta.tv/moonlight2006/
構成・演出:桑原裕子
出演: 成清正紀 若狭勝也 原扶貴子 佐藤滋
     川本裕之 田村友佳 野澤爽子 松田昌樹
     高山奈央子 横山真二 馬場恒行 桑原裕子

KAKUTA 花やしき公演 『ムーンライトコースター』 KAKUTA 花やしき公演 『ムーンライトコースター』

谷中からぶらぶら巡ってようやくたどり着きました、本来の目的地。
ラフカット2005以来、念願だったKAKUTAのお芝居を観に行きました。
桑原さんの脚本はきっと面白い、と確信していたのですが、
特に今回は花やしきを丸ごと貸しきって舞台にするというユニークな趣向。
期待は高まらざるを得ません。

観客はまず、園内を自由に歩き回って観劇ポイントを選びます。
ビール片手にコロッケを頬張るも良し。
園内限定の浅草焼きやマリオンクレープを食べるも良し。
この芝居以外の楽しみが、
遊園地ならではのワクワク感をさらに駆り立ててくれます。
並んでいる間に綿密な計画を立てた我等。
まずは4人を2班に分けました。
入場するや否や、お互いの健闘を祈りつつ、
一方はコロッケ屋、一方は座席取りへ向けて猛ダッシュ!!
・・・した甲斐があって各班無事に任務を遂行しました。

KAKUTA 花やしき公演 『ムーンライトコースター』 KAKUTA 花やしき公演 『ムーンライトコースター』

いくつかのオムニバスドラマが同時に繰り広げられます。
役者さんは各エリアで同じ芝居をするので、
どこで観ていようと同じ物語を観ることができるわけです。
ただ、お芝居の順番が違うので、観られるエンディングはひとつだけ。
自分が観ている場所によって変わってきます。

謎の招待状を持って遊園地へ現れる人々。
地元の幼馴染たち、着ぐるみのウサギと怒り狂った女、
最後のデートに来たカップル、田舎から父親を探しに来た兄弟、
援助交際風のサラリーマンと女子高生、リーダーを失った大道芸人たち・・・。
それぞれの物語が微妙に絡み合いながらテンポ良く進んでいきます。

KAKUTA 花やしき公演 『ムーンライトコースター』 KAKUTA 花やしき公演 『ムーンライトコースター』

誰でも身に覚えがあるような不安と不満を抱えた、
どこにでもいそうな普通の人々に訪れる小さな遊園地の奇跡。
細かい描写やセリフですごーくリアルに描いておいて、
ハッピーなファンタジーをひと握り混ぜて来る。
その加減がちょうど良いから、変に身構えず、すっと受け入れられるんです。
結局世の中は変わらないんだけど、明日も世知辛いけど、
今日笑えたからちょっと頑張ってみようかな、と前向きにさせてくれます。

素敵なお話を書く女性だなー。私の目に狂いはなかった!!
ますます桑原さんが好きになりました。
今後もKAKUTAは要チェックです。

因みに・・・ひどい写真ばっかりなのは、席取りや買い物で興奮したあまり、
写真どころではなくなった結果です。
せっかくの花やしきなので、沢山写真を撮ろうと思っていたのに・・・。
今回はクリックしても拡大しません。悪しからず。

 

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まとまったお金の唄大人計画『まとまったお金の唄』
場所: 本多劇場
日時: 2006年5月28日(日)19:00
URL :
http://www9.big.or.jp/~otona/index.html
作・演出・出演: 松尾スズキ
出演: 阿部サダヲ/市川実和子/宮藤官九郎/伊勢志摩/
    村杉蝉之介/荒川良々/近藤公園/平岩紙/内田滋/菅原永二


実は初めてです。大人計画の本公演。
去年の『キレイ』はチケットが取れなくて完敗だったし、
『七人の恋人』は脚本も演出も宮藤官九郎だったし。
『恋の門』も見逃した私は、気づけば奇才・松尾スズキ初体験なのでした。
なんとかそこそこの金額で手に入れたチケットは、なんと東京公演の千秋楽。
しかもサイドブロックながら前から3列目というナイスポジションです。

サダヲに良々にクドカンまで出るんだから!と半端なくワクワクしつつ、
過度な期待は危険!と諌めつつ、
妙にニヤニヤして幕が上がるのを待ちました。

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まず最初に舞台に現われるのはナビゲート的役割な平岩紙ちゃん。
後から出て来る市川美和子と阿部サダヲもそうなんだけど、
70年代のレトロでサイケなワンピースがとっても可愛いらしい。
最初は音響やエキストラとしてチョロチョロ、後に深ーくからんできます。
別次元にいながら一番まともで、
異常さを増して行く物語と私たちをうまく橋渡ししてくれる存在。
大人計画にいる他の女優さんにはちょっと無い雰囲気を持ってますよね。
透明感。その名の通りの紙っぷり。
おとなしそうな顔とはウラハラに、
声も響くしお芝居も上手で今後の活躍が楽しみです。

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…とはいえ、設定だけでずるいサダヲ、良々、クドカンはずば抜けてます。
良々が大阪のオカンだよ?
クドカンはう○ちまみれだよ?
サダヲは女子高生だよ?

荒川良々演じるオカンは割烹着とおばさんパーマの似合う未亡人。
そしてどこで覚えたのか何か国語も操る才女。
とぼけた感じとどこかなぞめいた雰囲気が、
良々氏にぴったりはまってます。

宮藤官九郎演じる馬場は・・・関西的に言うと名は体を現してます。
設定からして賑やかしのサブキャラかと思いきや、意外と重要メンバー。
諸悪の根源はすべてがこのう○こマンにあり。
更に言うとすべてが一途過ぎる愛ゆえなのですが、
一番ふざけてて一番狂ってます。

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阿部サダヲ演じるヒカルはとってもドリーミー。
パジャマはパンツにINしなきゃ!お腹が冷えちゃうもん。
クリスマスにはおっきな靴下を吊るすの。
そしたらサンタさんがおっきなプレゼントをくれるでしょ?

で、やっぱり阿部サダヲはすっごいなぁ。
あの針の振り切れたハイテンションぶりがなければ、
このお芝居は成り立たないんじゃないかしら。
劇団だから当然アテ書きなんだろうけど、
阿部サダヲありきの役であり、
阿部サダヲありきのストーリーであり。
この人たちってお互いの創作意欲と想像力をむくむくさせ合って
向上してるんだろうな。

下らないギャグ、時には低俗なネタの連続で細かく笑わせつつ、
実は相当残酷なことが次々に起こる。
くだらないお蔭でひどいことも見るに耐えうる気もするし
くだらないお蔭で残虐さがより際立つような気もして・・・。
油断してるとぐわんぐわん感情を揺さぶられて、
さっきまで大笑いしていたはずがいつの間にか涙を流している。
うん、忙しかった。
何回か観てみたら受け方が違ってくるだろうな、きっと。

くど監日記 私のワインは体から出て来るの やぁ宮藤くん、宮藤くんじゃないか! 七人の恋人

クドカン人気でますますチケットが取れなくなってきました、大人計画。
阿部サダヲも荒川良々もすっかり有名人で。
もう正攻法じゃ無理かもしれません。
私も最近わーきゃー言い始めたクチなので文句言えた立場ではないのですが、
それでも何とかならないでしょうか??
もっと大きな劇場でやるとか、期間を延ばすとか、
ファンクラブ作って優先販売するとか。
オークションでも毎回すごい金額になっています。
秋の大人計画フェスティバルウーマン・リヴ・・・大丈夫でしょうか。
なにとぞ無事にチケット取れますように。

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コクーン歌舞伎 『東海道四谷怪談・南番』
場所: Bunkamuraシアターコクーン
日時: 2006年4月22日(土)17:00
URL :
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kabuki7/
作 : 四世鶴屋南北
演出・美術:串田和美
出演: 中村勘三郎,中村橋之助,中村七之助,中村扇雀,笹野高史


北番を観てからというもの、どーしても南番が気になっていたのです。
コクーンに飾られている写真で観た、本水を使った演出も頭から離れず、
観たくて観たくてついにオークションでチケットを入手!
前回は観る前にさらっとあらすじを読んだけだったし
話の筋がわからなかったところも多かったので、
今回はみっちり予習して、いざコクーンへ。

コクーン歌舞伎 『東海道四谷怪談』

平場席と椅子席に役者さんが何度も通る通路があるのですが、
そこから4列目の椅子席、しかもセンターブロックにしたので、とーっても観やすかったです。
前回のように身体を後ろにねじ曲げる必要も無いし、お尻が痛くなることもありません。

観始めは北番と配役が違うのでちょっと混乱しちゃって、
ああ…そっかそっかあの人はこの人だ、といちいち脳内変換してました。
北番で観た勘三郎さんの直助と扇雀さんの与茂七も良かったのですが、
断然こっちの配役のほうが好きですねー。
七之助さんのお梅は衣裳が豪華でかわいいし、
何と言っても、勘三郎さんがお岩・小仏小平・与茂七を演じることで
早変わりのシーンが増えていたのも見所でした。

その面白さを一番味わえるのが『砂村隠亡堀の場』でしょう。
お岩と小平を殺めた後、戸板の裏表に打ち付けて川へ流した伊右衛門さん。
彼が川で見覚えのある戸板を見止めてそばへ引き寄せると、
お岩さんが「うらめしや~」。
戸板を裏に返し、覆っている藻を取り払うと、今度は小平が「薬くだせえ~」。
戸板を元の川へ流してしまうと、今度はそこへ回文状を持った与茂七が現れるのです。
勘三郎さんの見事な三変化!中村屋っ!!
会場は拍手の渦でした。
有名な「戸板返し」はやはりお岩・小平を1人の役者で演じてこそ、だと思います。

南番では本水を使っているので、その迫力たるや相当なもの。
髪も着物もぐっしょり濡れて、水を滴らせるお岩さんはかなり不気味です。

コクーン歌舞伎 『東海道四谷怪談』

それから伊右衛門・与茂七・直助の3人が暗闇でもつれ合う場面は
立ち回りも見得も綺麗でかっこよかったですねー。
ツケ打ちさんのリズムも小気味よく、
これぞ歌舞伎!といった感じで、思わず唸ってしまいました。
3人がポーズを決めたところでスコーンと背景が変わり、夜明けを迎えます。
そうそう、こういうのが観たいんです。

-第3位-東洲斎写楽 「大谷鬼次」初めて歌舞伎を観たときにいちばん感動したのが見得を切るところ。
写楽の役者絵そのままにちゃんと寄り目になっているんです。
連れは歌舞伎を観たことがなかったので、
この場面はちゃんとオペラグラスを構えるように促しておいたら、
「ほんとに寄り目になってたよー。」とその後嬉しそうに語ってくれました。
素人同士なので、当たり前のことでもいちいち感動しちゃいます。
これは無知なる者の特典ですよね。

南番では『深川三角屋敷の場』と『小仏小平住居の場』がありません。
北番で観たときは印象深い場面だったし、
物語のキーポイントにもなるところだったので、もったいないなぁと思っていました。
ところがここで、笹野さんと七之助さんが幕の前に現れたのです。
舞台を組む時間を稼ぐの為だったようですが、これは嬉しいサプライズ。
七之助さんの若侍姿がまたステキで…。
前列には水が沢山はねるということで、避けるためのビニールシートと合羽が配られ、
水鉄砲を使って実際に客席に水をかけつつ、
どのタイミングで使うか練習をしていました。やっぱり平場席も良いなぁ…。

コクーン歌舞伎 『東海道四谷怪談』


『蛇山庵室の場』は、北番と違ってエンターテインメント性が高く、
わっと脅かしてキャーキャー言わせるような演出でした。
客席通路の床から突然お岩さんが飛び出してきたかと思うと、
前方では大鼠が横切り、後方ではチューチュー声がする…まるでお化け屋敷です。
北番と違って鳴り物さんもオーソドックスなので、
ヒュードロドロドロ…っていうあの"お化けの音"もワクワクしちゃいます。

歌舞伎と串田演出の新しい試み、そのバランスが取れていて、
お互いの長所が存分に発揮された舞台でした。
北番と南番はそれぞれに魅力を持った全く別のもの。
うーん、やっぱり両方見て良かったー!!
また平成中村座は海外進出するようなので、
海外旅行がてら歌舞伎を観るのも贅沢よねーと早くも思いを馳せるわれら。

これだから生のお芝居はやめられませぬ。

テーマ:歌舞伎 - ジャンル:学問・文化・芸術

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Author:niu
人生急がば回れ。
好きな食べ物は道草。

ゆっくり歩こう、さんぽみち。

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ゆっくり歩きすぎて、
現実とズレまくっております。
えーっと・・・最新記事は
2006年8月です。
違和感たっぷりでごめんなさい。

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